動脈硬化の予防・改善~ 食生活改善と運動・禁煙 ~
動脈硬化とは
動脈の血管が硬くなって弾力性が失われた状態です。動脈は、心臓から送り出される血液を全身に運ぶ血管で、酸素や栄養素を運ぶ重要な役割を持っています。通常は弾力性があり、しなやかですが、加齢や様々な危険因子によって厚く硬くなってしまうのが動脈硬化です。動脈硬化が進むと、心筋梗塞や脳梗塞など命に関わる病気を引き起こす危険性が高まります。
年齢とともに少しずつ動脈硬化が進行することは仕方ありません。しかし、喫煙・肥満・運動不足・高血圧・脂質異常症・糖尿病などの危険因子が重なることによっても動脈硬化は進行しやすくなります。
危険因子対策
禁煙
たばこはやめましょう。たばこを吸うと、せっかくほかの危険因子を取り除いても、その効果を帳消しにしてしまうことがあります。現在は禁煙補助薬などがあり、より確実に禁煙できるようになってきています。ぜひ 医師・専門看護師に相談してください。
体重管理
とくに内臓脂肪の減少。体重のコントロールは動脈硬化の予防に大変重要です。おなかがぽっこり出ている内臓脂肪型肥満と呼ばれる体型の人は、腹囲サイズを基準にして減量に取り組みましょう。腹囲サイズが数センチ減り、体重が数キロ減っただけで、検査値が徐々に改善してきます。無理のない減量を実践しましょう。
生活習慣病の治療
脂質異常症や高血圧、糖尿病などの人は、それを しっかり治療し続けることが大切です。これらの病気は生活習慣が密接に関係しています。なお、薬物療法を開始していても生活習慣の改善は必要です。
運動
運動は、軽めの有酸素運動が適しています。体力や症状などに合わせて、散歩、ウォーキングなどから始めましょう。ただし、いきなり運動を始めると心臓や血管に急激な負担がかかり危険なこともあります。医師の指導を受けるようにしてください。
各危険因子に共通の食事療法
- 規則正しい食事リズムの確立
- かため食いや早食いなど食べ方の適正化
- エネルギー摂取量の適正化(25~30Kcal/㎏標準体重)
- 脂質摂取量の抑制(エネルギー比率20~25%)
- ショ糖、果糖などの摂取量の抑制
- 食物繊維の積極的摂取
臨床栄養学第9版 動脈硬化症食事療法の基本より
食生活の見直しや運動・禁煙によって動脈硬化の進行をゆっくりに抑えられます。
朝食
食パン
なすの冷製スープ
材料(2人分)
- なす 2本
- 玉ねぎ 70g
- オリーブ油 小さじ2
- コンソメ 小さじ1/2
- 水 150cc
- 牛乳 200cc
- こしょう 少々
- 生パセリ 適量
作り方
- ①玉ねぎは半分に切って薄くスライス、茄子は縦半分に切ったらさらに半分に切って1cm幅程度に切る。
- フライパンにオリーブ油を入れて玉ねぎとなすを炒め、水とコンソメを入れて軟らかくなるまで煮る。
- 粗熱がとれたら牛乳を入れハンドミキサーでよく撹拌し、冷蔵庫で冷やして器に盛り、最後にパセリをかけて出来上がり。
スモークサーモンとビーンズのサラダ
材料(2人分)
- ミックスビーンズ 100g
- 人参 50g
- ドレッシング 小さじ2
- スモークサーモン 4切
作り方
- 人参は、ピーラーで細長くスライスし、電子レンジ600Wで30秒加熱する。
- 人参とミックスビーンズを、ドレッシングで和え、スモークサーモンをのせたら出来上がり。
栄養成分値(1人分)
朝食合計:エネルギー463kcal、たんぱく質23.0g、脂質12.5g、食物繊維9.5g、塩分2.2g
昼食
とろろとオクラと温玉のっけそば
材料(2人分)
- そば(生)2玉
- 山芋 100g
- オクラ 4~5本
- 温泉たまご 2個
- ミニトマト 適量
- ねぎ 適量
- 味付け海苔 3~4枚
(つゆ)
- だし汁 120ml
- しょうゆ 小さじ2
- みりん 小さじ2
作り方
- 山芋はすりおろす。オクラはゆでて輪切りにする。
- だし汁に、しょうゆ、みりんを入れひと煮たちしたら火を止め粗熱を摂ってから冷蔵庫で冷やしておく。
- 温泉卵を作る。または、市販の温泉卵を用意する。
- そばをゆでる。ゆで上がったら冷水でしめ、器に盛る。
- 4にとろろ・オクラ・温泉卵・海苔・ミニトマト・ねぎをのせだしをかけたら出来上がり。
季節のフルーツ
材料(2人分)
- アムスメロン 2切れ
栄養成分値(1人分)
昼食合計:エネルギー448kcal、たんぱく質19.8g、脂質7.6g、食物繊維3.7g、塩分2.1g
夕食
ごはん
ぶりのおからパウダー揚げ
材料(2人分)
- ぶり 2切れ
- しょうゆ 小さじ2
- 酒 小さじ2
- おろし生姜 少々
- おからパウダー 大さじ1~2
- サラダ油 適量
作り方
- ぶりは、食べやすい大きさにカットし、表面の水分をペーパータオルで拭き取っておく。
- 密閉袋にしょうゆ、酒、おろし生姜を混ぜ、ぶりを入れ15~30分程冷蔵庫で味を馴染ませる。
- 2におからパウダーをまぶし160~170℃の油で揚げる。
おからパウダーとは、大豆から豆腐を作るときにできる「おから」を、加工してパウダー状にしたものです。おからパウダーには植物性タンパク質が豊富に含まれており筋肉の維持に役立ちます。また、食物繊維が多く血糖値の上昇を抑える効果もあります。しかし、一度に多量に摂取すると胃で膨張し異常な張りや腹痛を伴うことがあるので注意が必要です。
おからパウダーの目安は、1日大さじ2~3杯までにしましょう。
うす揚げ巻き
材料 (2人分)
- 油揚げ 1枚
- A:鶏ひき肉 120g、ねぎ 70g、しいたけ 小6~8個、酒 小さじ1、おろしニンニク 少々
- からししょうゆ 適量
作り方
- うす揚げは辺を2mmぐらい切り落として正方形に開く(破れないように1枚のうす揚げを開いて2枚にする。)。
- Aの材料をボウルに入れ、よく混ぜ合わせる。
- 2枚に開いたうす揚げにAの材料を1/2量ずつ平らにのばし、端から巻いてラップで包む。
- 電子レンジ(600W)で2~3分加熱し、上下を返してさらに2~3分加熱する。中まで火が通ったことを確認したらラップをはずし、粗熱が取れたら好みの厚さに切る。
- 皿に盛り、からししょうゆを添える。
アスパラとスナップえんどうのマヨ和え
材料(2人分)
- アスパラガス 5~6本
- スナップえんどう 10本
- すりごま 大1
- マヨネーズ 大1
作り方
- アスパラガスは根元近くの固い部分は除いて3~4cm幅に切る。スナップえんどうは、すじを取っておく。
- 鍋に湯を沸かし、沸騰したらアスパラガスの根元の部分を入れ、30秒~1分あとに穂先の部分を入れゆでる。鍋の湯は捨てずにアスパラガスをすくい上げ、次にスナップえんどうをゆでる。ゆで上がったら冷まし水気を取る。
- アスパラガス、スナップえんどう、すりごま、マヨネーズをボウルで混ぜ合わせ出来上がり。
栄養成分値(1人分)
夕食合計:エネルギー924kcal、たんぱく質37.8g、脂質40.4g、食物繊維9.1g、塩分1.7g
1日合計:エネルギー1835kcal、たんぱく質80.6g、脂質60.5g、食物繊維22.3g、塩分6.0g
日本人の食事摂取基準(2020年版)では、食物繊維は男性(18~64歳)で21g/日以上、65歳以上は20g以上、女性(18~64歳)で18g/日以上、65歳以上は17gが目標とされています。
レシピのダウンロードは こちら から